卒寿小論 113 若後家のたよりになって <江戸川柳>
辛 夷(こぶし) 季節の花300 https:www.hana300.com/
花言葉は「信頼」 別名「田打桜(たうちざくら)」
昔は、コブシが咲くと田植えを始めたことから。
1 恋 婿(こいむこ)
恋婿の下着はみんな直しもの
女の方が熱くなって結婚した時は、夫のことを第一に真心を尽くす。江戸時代では、自分の着物を仕立て直して夫の下着にするのが流行ったようである。
女心の哀れさと凄さを思わせる一句である。
結納がすんで娘のとこを上げ
箱入り娘の恋病、願いがかなって結納がすむとやっと元気な箱入り娘になる。恋病で寝込む時代は平和だよね。
現代は恋の闇路で何が起こるかわからない時代になった。怖いですね。
2 子
子を一ッにらめておいて申しわけ おかあさんえらい。先ず自分の子を叱る。
いたずらの憎さも夢の子の寝顔 寝顔を見ると何もかも忘れてしまうね。
はだかの子おもしろがって逃る也 みんな一度は通る道
やゝしばし四方を見ゐる転んだ子 誰もいないぞ。どうする。
あのお子のお子がもう早このお子か はやいなあ。
3 後 家
若後家のたよりになってやりたがり 不思議な魅力があるのよ。
後家ざかりだとほめやうも有ろうのに 美貌の後家さん。ほめようかな。
その当座後家たて通しさうに見え だんだんぐらついてきます。
4 庚 申
庚申をあくる日きて嫁こまり 夕べがそうだったの、困るわ。
参考 庚申=かのえさるの日。庚申信仰により身を慎む日。庚申の夜交合すると盗人が
生まれるという言い伝えがある。よって、人々は集まって夜更かしをする習慣が
できた。
寝て用がないので庚申夜をふかし 夜更かしでもしないことには・・・
こらへしょうなく盗人をはらむなり 自制心限りなきゼロです。
庚申はせざるを入れて四猿なり 見ざる聞かざる言わざるせざる。