卒寿小論 123 あらい髪わきの下から <江戸川柳>
杏の花 季節の花300 https:www.hana300.com/
花言葉は、「臆病な愛」「乙女のはにかみ」「疑い」「疑惑」
1 相 傘(あいがさ)
相傘を淋しく通す京の町
相傘=相合傘、男女がひとつの傘をさすこと。
京都の町では、相合傘で通っても冷やかしたりしない。男女の仲については大人である。江戸では、相合傘が通れば、必ず冷やかしたものらしい。
相合傘の当人にとっては、どうであろう。ひやかされた方が、張り合いがあるのではなかろうか。それとも静かに大人の対応をしてもらった方がよいのであろうか。
京の相合傘と江戸の相合傘の二人連れの質が違うのかもしれない。「淋しく通される」のはわけありかも、冷やかされるのは健全派かも知れない。
相傘はだまって通すものでなし (江戸っ子だい)
右の手と左でうまい傘をさし (いやいや・・・)
相合傘って、昔懐かしい風景だよね。車社会になって消えた男女の機微だ。
なつかしいなあ。
2 愛 嬌
愛嬌はこぼれてへらぬ宝也 愛嬌だけでいいんだよ。(父)
愛きょう娘そこからもここからも 縁談多くて困ちゃう。どうしよう。
3 洗 髪
挨拶をうしろへほうる洗髪 洗い髪お妻さん。いきだね。
洗髪にぎってたもと見て貰ひ たもとのひもとって。はやく、ばか。
色白はかくべつ目立つ洗ひ髪 雪の肌に黒髪、めまい起こしそう。
あらい髪わきの下から人をよび 浮世絵の世界だ。呼んでくれて・・・
4 愛 想
あいさうにふくぶくしいと嫁をほめ 福々しい。いい言葉だ。
参考 愛想=愛嬌、お世辞。
愛想のよいをほめられたと思ひ お世辞でも気分良い。
ちっとづゝ焼くのも女房あいそ也 黒焦げに焼いちゃうよな。
5 相 惚
相ぼれの仲人実はまわしもの 相思相愛でも仲人がいるのよ。