卒寿小論 146 裏からひとりで来なんしと <江戸川柳>
桃の花 季節の花300 https:www.hana300.com/
花言葉は、「私はあなたのとりこ」「天下無敵」「気立ての良さ」
1 申し子(もうしご)
申し子は夢ばかりでも出来ぬなり
申し子=神仏に願って授かった子。
「ばかな。」神や仏が夢枕に立ったからといってそれだけではないよねえ。江戸っ子の健全な庶民感覚。だから、聖母マリアの処女懐胎も江戸っ子は「ばかな。」の一言で終わる。
申し子は出居衆の顔にいきうつし
(出居=寄留者、実はこれの仕業)
申子の跡で年々申さぬ子
(神に願っての後は癖がついたのかなあ。続々とできる。)
2 孟子
おっかさん又超すのかと孟子言ひ お前のためだよ。がんばろう。
習わぬ経を覚へたで孟母越し 目的達成。さて、次はどこへ。
荘子のは夢が花野をかけ廻り 荘子は夢に蝶。芭蕉は枯野を・・・。
3 物 思
掃く先をやうやうと立つ物思ひ さっさとどいてよ。あんたあ。
母おやもともにやつれる物思ひ 娘のことは娘にまかせなさい。
のびた首ちゞめて鷺の物おもひ 一本足で何考えてんの。
物思ひ下女雑巾も手につかず 若旦那、それとも大旦那。
4 餅(もち)
餅はつく是からうそをつくばかり うそついて大晦日を乗り切るぞ
参考 大晦日は掛け取りの最終日で江戸時代の年2回の集金日に当たる。庶民にとって
は大変な大晦日である。
5 もてる・もてぬ
裏からひとりで来なんしともてた奴 来る来る何度でも来る
参考 もてる=遊里語で厚遇される意。裏=初めて会うのが初回、二度目が裏。
もてた奴又苦労して一分ため 一分たまったらとんで行く