卒寿小論 198 教育の目的の重点をどこに置くか(教育 1)
きょういくの姿 1 教育の目的の重点をどこに置くか
教育の目的をどこに置くかで教育の方向が変わって来る。
個人の個性の伸長や人格の完成に置くのか、国家に役立つ人を育てるのに重点を置くのか。
戦前は国家に役立つ人を育てる教育が全てであった。敗戦後は個人の個性や人格の完成に教育の重点が置かれた。
このことは戦前の教育勅語と大日本帝国憲法が明記している。敗戦をきっかけに教育基本法と日本国憲法が個人の個性の伸長や人格の完成に重点が置かれた。
今また、教育基本法が改定されて、個人の個性を伸長し人格の完成を目指す教育と国家に役立つ人の教育が見直されてきた。
個人的には、個性の伸長と人格の完成を教育目標の柱にして、その教育が日本国家の一員として役立つ人を育てる方向が必要である。
少しずつ戦前の国家に役立つ人の育成に重点が移りかかっているような気がする。
今一番の問題は、教育を「儲け仕事の仲間入り」にしたことである。
このことがあらゆる問題を引き起す原因になっている。
参 考
太平洋戦争の敗戦によって、「きょういくの姿」が一変した。そして、敗戦後、1947年(昭和22年)に教育基本法が制定されて、59年の歳月を経て2006年(平成18年)に教育基本法の改定が成立した。
旧教育基本法と新教育基本法を比較することによって、国家体制の流れが見えてくる。
合わせて、「大日本帝国憲法」「教育勅語」と「日本国憲法」「教育基本法」とを比較検証することでより具体的に日本国家の国家体制を理解することができる。
国家体制ときょういくの姿は表裏一体をなすものであってその時代の「きょういくの姿」を追っていけば日本国家の実相が映し出されてくる。
太平洋戦争とは、第二次世界大戦の内、主として東南アジア・太平洋方面における日本とアメリカ・イギリス・オランダ・中国等の戦争である。
1941年12月8日に日本軍のマレー半島上陸、ハワイ真珠湾攻撃によって開戦し、アメリカ軍による本土空襲、原子爆弾投下、ソ連の参戦に及び1945年8月14日、連合国のポツダム宣言を受託、15日の玉音放送を経て9月2日に無条件降伏文書に調印。
戦争中、日本は太平洋戦争を大東亜戦争と公称していた。
玉音放送とは、玉音が天使の声であるから、1945年(昭和20年)8月15日の昭和天皇の肉声を流したラジオ放送。ポツダム宣言を受託して降伏するという勅書(天皇の大命を布告する公文書)の朗読の録音であった。
これ以後を日本では戦後と言っている。
戦前と戦後では何がどう変わったのかを理解しておくことは重要である。
アイデアに生きる 油屋熊八 村上秀夫著より
株で大儲けをして、一夜で乞食同然となり 湯の街別府へ