syougoのブログ

余命ゼロ年代を生きるために

卒寿小論 21 あなた幸せですか、学校は楽しいですか <俳句10>

 初対面の挨拶で、全校生徒に向かって次のようなメッセージを送った。


「あなたとすれ違った時に、あなた幸せですか。学校は楽しいですか。と、声を掛けますので、こたえを準備しておいてください。昼休みの給食後時間に校長室を開放しますので訪問をして下さい。待っています。」


 これが生徒との初対面の挨拶であった。


 来るは來は年間延べ人数で200名を超えた。一か月過ぎる頃に男子生徒がやってきて、
「校長先生、何度来ても校長室が満員です。それで予約制にして下さい。一週間の予約一覧表をつくってきましたの校長室の入り口に張っておいてください。」


「良いアイデアだ。一覧表に私の不在の日を記入して貼っておくから。ありがとう。」


 予約一覧表がこれより定年退職する日まで2年間有効に利用された。


 1年生は何となく校長室を覗いてみたかった。
 2年生は幸福についての意見交換。
 3年生は進路に必要な情報を図書に揃えて下さい。というような校長室訪問者の関心度で
  あった。


 1年生ついては、いじめや不登校、それに学級崩壊になりかけいる情報などを得て速い対処できた。
 2名の男子生徒がやってきて「校長先生A君は、小学校からのいじめが続いているんで。」この一言がきっかけで、即、生徒指導と学級担任を通して保護者への連絡をして校長室で話し合いの場が設定できた。


 具体的な段取りを進める時は細心の注意を払った。


 全校の不登校生徒についても校長室を話し合いの場にして、生徒指導、学年主任、学級担任、保護者と不登校生をその事例に応じて参加者の組み合わせを考えて年間を通しての取り組みにした。


 2年生は幸福論についての話題が広がり保護者の参加もあった。
ある男子生徒は幸福度についてのアンケート調査をしてそれをグラフにまとめ県の統計コンクールに応募した。


 3年生については、要望に応えて進路に関する全国レベルの情報を集めた。


 ある日。廊下ですれ違った男子生徒から声を掛けられた。
「校長先生、幸せですか。学校は楽しいですか。」
「幸せです。楽しいです。」
 生徒はさらに、
「どんな時に幸せを感じますか。」
「私の母校で、生徒と一緒に幸福について話し合えることはとても楽しく幸せです。」
「この学校の出身ですか。知らなかった。大先輩ですね。」


 続けて、俳句2句を詠んだ。


女生徒の大根の花抱え登校す  妻がいて娘(こ)がいて我に新茶あり


 

  だいこんの花 季節の花300より


         

            抹 茶 季節の花300より


 これをきっかけに俳句の講師として多くの学級から声が掛かった。国語の担任と学級担任の協力得て幸せな楽しい時間を共有することができた。

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