卒寿小論 208 教育を動かす日本会議 (教育 3)
きょういくの姿3 教育を動かす日本会議
今、日本の教育に大きな影響を与えているのは「日本会議」です。
元安倍総理をはじめ現岸田総理や多くの政治家が日本会議国会議員懇談会の一員となり、学者、評論家や作家の面々と日本会議の運動にかかわっています。
日本会議は現在の日本国憲法のもとでの国家体制のあり方を見直す集団です。では現在の国家体制をどのように見直すのでしょうか。
その点を考察するには「日本会議」の成り立ちから見ていく必要があります。
1997年(平成9年5月30日)、当時の2大右派組織──日本を守る会と日本を守る国民会議が合併する形で日本会議は発足しました。
日本を守る会は、1974年から1997年まで存在した日本の民間団体で成長の家が母体になっています。1997年5月30日に「日本を守る国民会議」と合併して「日本会議」に改組されました
もっと丁寧に「日本を守る会」と「日本国民会議」の実態を調べていくことで、日本会議の姿が見えてきます。
日本を守る会は、1973年6月、伊勢神宮において、神社本庁と、生長の家(現・生長の家本流運動)他反共主義右派宗教団体との間で懇談会が開かれて結成された会です。
大きく影響を与えたのが成長の家の谷口雅春・創始者(1893〜1985)の考えです。谷口雅春氏の考えが日本会議の根底に流れていると考えられます。
日本を守る国民会議は、過去に存在した改憲を目標とした日本の保守団体です。
最高裁判所長官 を務めた 石田和外 らの呼びかけによって財界人・学者中心で、 元号法 制定を目的に 1978年 7月に結成された「 元号法制化実現国民会議 」をもとに、これを改組してつくられました。
美しい日本の再建と誇りある国づくり”を掲げ、政策提言と国民運動を展開してきました。
日本会議の提言や運動は、日本を守る会と日本国民会議の延長線上にあると考えれば日本会議の姿がよく理解できます。
日本会議の生い立ちの実態を踏まえて、現在の日本会議の姿を「日本会議のホームページ」から読み取っていきます。
教育に関わる人はもとより、国民は教育の姿を100年単位で見ていく必要があります。100年200年かけて国家体制を定着させていく壮大な運動を正確に見て教育の何が変わり憲法の何を変えようとしているのかを理解していかなければなりません。
いま日本はそうとうに乱れています。このままではやがて日本は滅びます。そのような危機感を持って「日本会議」の提言を参考にしながら、新しい提言を模索していかなければなりません。
今、日本の国づくりに何が必要なのでしょうか。
アイデアに生きる 油屋熊八 村上秀夫著より
「流川の亀の井旅館ちゅうのは、どっちのほうがくかの・・・」
「亀の子ン看板のある宿屋じゃな・・・俺、おせェてやるよ。教え賃、一銭じゃ・・」
「なに道案内だけが一銭もすンのか。ちょっと高えのォ五厘に負けんか」
「荷物も待って運ぶから一銭は高くねえよ・・・」