卒寿小論 638 春の愁いはどこまでも 春 望 その2 薛濤(せつとう)

春の歌 2(正悟訳)
れんげ紡いで 首飾り
私のあなたに 贈ります
春の愁いは どこまでも
鳥の声哀しく 胸を打つ
春望 その2
檻草結同心 檻草同心(かんそうどうしん)を結び
将以遣知音 将(まさ)に以(もって)て知音(ちいん)に遣(おく)らんとす
春愁正断絶 春愁正に断絶し
春鳥復哀吟 鳥の声哀しく哀吟す即興で
参 考
知音(ちいん)=親友、知人。
薛濤(せつとう)は、多くの文人と交流し、
宴の席では即興で作詞をして場を盛り上げた。
白居易や杜牧などの有名人の名と共に残っているので、
それだけでも実力者であったことが伺える。
晩年は自ら考案した深紅の詩箋を売って暮らしたという。
薛濤(せつとう)の詩には、大戦下に夫や恋人を戦場に送った
女性たちの思いがふつふつと忍ばれる。
戦場に送り出した夫や恋人を思う気持ちで読むと深く伝わってくる。
日本の特攻隊を送った家族や女性の気持ちと重なります。
