卒寿小論 24 性格傾向が分るの? <俳句11>
次に①俳句②川柳③短歌を提示します。あなたの好きな順に番号を選んでください。
① 紅い椿白い椿と落ちにけり 河東碧梧桐
② 子には子の悲しみがある虫の墓 一 車
③ 山寺の石のきざはしおりくれば
椿こぼれぬ右に左に 落合直文
註 きざはし=階段
あなたの好きな順に□の中に番号を入れてください。
回答 □ □ □
① ②を一番に選ぶのは圧倒的に男子生徒が多く。③は女生徒が多かった。
俳句、川柳、短歌の順番で選んだ男子生徒と、川柳、俳句、短歌と選んだ男子生徒は五分五分であった。
短歌を最初に選んだ男子生徒は少数派であった。
女子生徒の選び方は、短歌、俳句、川柳であった。川柳を一番に挙げた生徒もいた。彼女は落語好きな生徒である。
調査が終わって、俳句、川柳、短歌の違いについて学習を深めた。
俳句と川柳は575の17文字であるのは共通しているが、俳句は季節を表す「季語」がはいり、俳句は切れ字で一句の中で絵が二つの場面になることが多い。
川柳は、上から下まで一気に詠みあげる。季語なし、切れ字なしの形式で、最大の違いは、俳句よりも人間の匂いがして、社会の問題や人の生き様を一句にまとめる。
短歌は、説明の言葉が入り、俳句に比べるときめ細かい表現になる。俳句は省略の詩で読み手の想像に任せる部分が多い。
情報伝達の基本に照らし合わせると俳句・川柳・短歌の特徴がよく分かる。
5W1Hとは、「When:いつ」「Where:どこで」「Who:だれが」「What:何を」「Why:なぜ」「How:どのように」
俳句・川柳・短歌で何が省略され何がより丁寧に表現されているかを調べるとその特徴が浮かんでくる。
俳句を第一に選んだ人は、省略が好きでその分想像力を発揮する。
さっぱりとした空想家的傾向があり、さっぱりとしているが往々にして思い込みが強いようである。
川柳を第一に選んだ人は、今生きている社会に関心があり、人の生き方に興味を示す傾向が強いようである。
短歌を第一に選んだ人は、丁寧な説明を求めきめ細かい心のやり取りを楽しむ傾向にある。
こんな話をして、生徒に自分の性格傾向について考えさせると、なるほどと感心して楽しむことができる。
これを参考にして、作文指導に入ると思わぬところで上手くいくことが多い。
一枚の写真を好むタイップの生徒には短い文の積み重ねを。写真よりもビデオを好む生徒にはより丁寧にきめ細かく表現を工夫させるといった具合に。
つばき 季節の花300より
花言葉は「控えめな優しさ」「控えめな美」「誇り」