syougoのブログ

余命ゼロ年代を生きるために

2022年7月のブログ記事

  • 卒寿小論 38 朝寝朝酒 朝湯につかり <ダンチョネ>

      朝寝朝酒 朝湯につかり あとは書斎でネ   昼寝する ダンチョネ  これ、私の夢。なかなか現実はそうはいかない。  朝は7時に起きて、カーテンを開けて朝の光を部屋に入れ。朝食を済ませて老々介護。 妻のレシッピで私が動く、2人3脚で一日を楽しく乗り切る。  体質的にも性格的にも朝酒、朝湯に昼寝が... 続きをみる

  • 卒寿小論 37 黙 と う <掌編 7>

     冷たい冬の星座が、ちかちかと輝いていた。  空を仰ぐのも久し振りだ。振り返ると、街路樹の彼方にオリオンが澄んで見える。突然、進の背後から、けたたましいサイレンの耳をつんざく音が追いかけてきた。酒に酔った頭は一瞬混乱し、そして、異様に冴えてきた。もう忘れてしまっていたはずの二十数年前の記憶が体の中... 続きをみる

  • 卒寿小論 36 蚊帳が広くばとまらうか <江戸川柳>

                  茶の花 季節の花300 https:www.hana300.com/         茶の花言葉は、「追憶」と「純愛」 1 千 代    お千代さん蚊やが広くばとまらうか     女流俳人の加賀の千代さんの句を知っていなければ面白くない。   起きて見つねて見つ蚊やの広... 続きをみる

  • 卒寿小論 35 社会の毒浴びて <自選川柳>

                          彼岸花 季節の花300より         花言葉 「悲しき思い出」「あきらめ」「独立」「情熱」         社会の毒浴びて非行の芽は太り  正悟(川柳名 凡太) 「先生。爺ちゃんが嘘つきは泥棒の始まり。と、言うけどおかしいですよね。」 「どうしてだ... 続きをみる

  • 卒寿小論 34 な み だ 橋  <掌編 6>

                          大分合同新聞掲載の挿絵より  国に国境があり、県に県境があるように、血縁の親子の中にも越すに越されぬ境がある。  このなみだ橋は、町と村との境を流れる谷川にかけられている幅三メートル、長さ五メートルほどのごく小さい橋である。小さな橋ではあるが村に住む人々... 続きをみる

  • 卒寿小論 33 母の気に入る友達の <江戸川柳>

                満天星(どうだん)季節の花300 https:www.hana300.com/                花言葉 「上品、節制」 1 友達    母の気に入る友達のやぼななり  今も昔も母親の気持ちは同じ。服装などには大して気にかけず地味で質実な身なりの友達は母親に信用... 続きをみる

  • 卒寿小論 32 母の待つふるさと近き <自選俳句>

                       季節の花300より ねむの木            花言葉は「歓喜」「胸のときめき」                      母の待つふるさと近き合歓の花  正悟   あなたの家の両親も私の家の両親も旅立ってしまった。何とも寂しいことである。  お互いに弟ま... 続きをみる

  • 卒寿小論 31 タ ニ シ ど ん <掌編 5>

                          大分合同新聞掲載の挿絵より  昨日の寒さはうそのように、今日は春めいた風のない日差しが窓から差し込んでいた。机の上には、首を高く突き出したシクラメンの花が四つ咲いていた。  社員は昼食に、また、昼休みのスポーツにと部屋を出払って、一人健吉だけが妻の手作り... 続きをみる

  • 卒寿小論 30 屁をひっておかしくもない <江戸川柳>

                               紅花 季節の花 https:www.hana300.com/           花言葉は「情熱」 1 屁     屁をひっておかしくもない一人者  自由律俳句の代表人物としてよく引用される二人の俳句を連想する。   咳をしても一人      ... 続きをみる

  • 卒寿小論 29 たった一人の女客 <掌編 4>

                     大分合同新聞掲載のさし絵より  ボラ、チヌ、イサキ、ハマチ、アジなどが釣れはじめると、この僻南の寒村も釣り人たちでにぎわい始める。特に土曜日の午後は泊まり込みの客で満員である。 それを当て込んでか、この地に、ちょっとデラックスな金持ちの退屈しのぎの片棒をかつぐよう... 続きをみる

  • 卒寿小論 28 惚れたとは女の <江戸川柳>

                  木 瓜   季節の花 https:www.hana300.com/               花言葉は「指導者、先駆者、早熟」  「好きだった 好きだった 嘘じゃなかった好きだった こんな一言あの時に   言えばよかった・・・」   宮川哲夫作詞 吉田正作曲  鶴田浩... 続きをみる

  • 卒寿小論 27 木のことは木に訊け <教育>

                            桜 季節の花300より          花言葉は「精神の美」「優美な女性」  ある植木屋さんが「木のことは木に訊いてみる。」と言った言葉を思い出す。  木の声を確り受けとめ木の生き方に沿って手助けをする。花芽の準備をする時期、花を咲かせ実を結ぶ準備... 続きをみる

  • 卒寿小論 26  目 撃 者  <掌編 3>

     安政五年(一八五八年)佐野島大火三十四戸焼失。その年、島民は生活に必死であった。働ける者はみな働いた。漁に畑仕事にと。  源造も夜のあけぬうちから、裏山の段々畑で芋のとこ作リに汗をかき、太平洋の黒い海原から昇る朝日を拝んで一息いれた。 「やせた土地には、さつま芋が一番。」  源造は一人言をいいな... 続きをみる

  • 卒寿小論 25 兄ちゃんがんばって <江戸川柳>

             江戸川柳  好きなんだよな  なしか                 日日草  季節の花 https:www.hana300.com/        花言葉は「生涯の友情、優しい追憶、楽しい思い出」 1 二むらい    いい妹もって二むらい様になり  <落語,妾馬> 妹が器量よし... 続きをみる

  • 卒寿小論 24 性格傾向が分るの? <俳句11>

     次に①俳句②川柳③短歌を提示します。あなたの好きな順に番号を選んでください。    ① 紅い椿白い椿と落ちにけり     河東碧梧桐    ② 子には子の悲しみがある虫の墓   一 車    ③ 山寺の石のきざはしおりくれば        椿こぼれぬ右に左に     落合直文        註 ... 続きをみる

  • 卒寿小論 23 5月のレクイエム 「う そ」 <掌編 2>

     5月の連休に喜寿を祝う同窓会に参加した。  古希の同窓会が最後の同窓会になると思っていたのに、あれから7年過ぎて仲良し3人組が元気で喜寿の同窓会を迎えた。  今回の同窓会は皆の胸の内に最後かもしれないという思いがよぎった。  小学校から高等学校まで同級生として柔道や陸上を共にしてきた。卒業しても... 続きをみる

  • 卒寿小論 22 母の愛と父の愛 <江戸川柳>

             江戸川柳  好きなんだよな。 なしか                    花水木  季節の花 https:www.hana300.com/         花言葉は「永続性、返礼、私の想いを受けてください」  1 母の愛    母親はもったいないがだましよい   父はうち母は抱... 続きをみる

  • 卒寿小論 21 あなた幸せですか、学校は楽しいですか <俳句10>

     初対面の挨拶で、全校生徒に向かって次のようなメッセージを送った。 「あなたとすれ違った時に、あなた幸せですか。学校は楽しいですか。と、声を掛けますので、こたえを準備しておいてください。昼休みの給食後時間に校長室を開放しますので訪問をして下さい。待っています。」  これが生徒との初対面の挨拶であっ... 続きをみる

  • 卒寿小論 20 論語よみの <江戸川柳>

              江戸川柳  好きなんだよな。 なしか                      蠟 梅 季節の花 https:www.hana300.com/           花言葉  「先導、先見」 1 論語とニキビ    足音がすると論語の下へ入れ  今も昔も同じ情景が目に浮かぶ。江戸... 続きをみる

  • 卒寿小論 19 がのをにとへよりからでや <教育>

                      母校の中学校で定年退職  感 謝  国語で文法の授業ほど退屈で面白くない授業はなかった。 ゲーム感覚で面白い文法の授業はできないか。と考えて実践したのが次の授業である。  次の□の中にひらがな1字を入れて文を完成させなさい。いくつの文ができるかな。   彼□彼女... 続きをみる

  • 卒寿小論 18 アンドレモジン  <掌編 1>

     木々の葉も色変わり、公園のそこここに落葉の吹きだまりが、音をたて移動し、赤く咲き残るサルビアの花にも、さみしさと人恋しさを感じる季節。  公職を退いて、早、半年が過ぎ、今では唯一の日課が、こうやって、夕食前の一時、郊外を散策し、公園のベンチで一服することになってしまった。  現職当時は、退職して... 続きをみる

  • 卒寿小論 17 許嫁たがいちがいに <江戸川柳>

           江戸川柳  なぜか好きなんだよな。 なしか?                    犬ふぐり 季節の花 https:www.hana300.com/       花言葉  花言葉は、「忠実」「信頼」「清らか」 1 言いなづけ   言ひなづけたがいちがいに風を引き  日本国憲法のもと、... 続きをみる

  • 卒寿小論 16 逢えてうれしや <教育>

    「逢いたかったぜ3年ぶりに  」 「先輩 昨日会ったばっかりです。」 「逢えてうれしや 飲もうじゃないか  」 「有難うございます。」  先輩は、高校、大学そして就職とずっと先輩であった。先輩は一回り年齢が上で大学になる以前の旧制の師範学校の卒業生であった。だから、直接の接触は教職についてからであ... 続きをみる

  • 卒寿小論 15 手も足となり <俳句 9>

             手も足となり起き上がる夏の朝   正 悟(俳号 藤掌)                       甥から貰った一粒の種が  いやあ、ひどかったですね。50代後半に突然やってきた50肩。布団を敷いて横になったまま身動きの出来ない痛みは初めての経験でした。整骨院に通い半年ほどで完治... 続きをみる

  • 卒寿小論 14 しぐるるや <俳句 8>

        しぐるるや人のなさけに涙ぐむ  山頭火           コスモス 季節の花300より     花言葉「愛情、たおやかさ」「乙女の真心」        「調和」「謙虚」。  定年退職をした年の11月、妻と湯平温泉に出かけた。 駐車場に車を置き、湯平温泉名物の石畳を登り始めて直ぐ、時雨に出... 続きをみる

  • 卒寿小論 13 とんぼ釣り今日はどこまで <俳句 7>

     小学校高学年ぐらいだったか。昭和20年代の別府市内はいたるところに小川が流れ緑の野菜畑が広々として、多くの種類の蜻蛉がとんでいた。  中でもオニヤンマという種類の蜻蛉はかっこよく子どもたちの人気が高かった。  メスのオニヤンマが手に入れば越したことはないのでだが、メスはなかなか手に入らなかった。... 続きをみる

  • 卒寿小論 12 雪に来てさて割り箸も <川柳>

     雪国や雪の降っている街への旅という経験はほとんどない。私の生活と雪というのはあまり縁がないようである。  ただ一度。雪に埋まったホテルの旅がある。  ホテルについた日は周囲の草原の野焼きが終わった日で辺り一面が真っ黒に沈んでいた。  湯布院の高原ホテルの朝。目を覚ましてカーテンを開けてびっくり。... 続きをみる

  • 卒寿小論 11 冷蔵庫貧しき日あり <川柳>

        冷蔵庫貧しき日あり富む日あり   椙本紋太  昭和の時代の公務員は貧しかった。  もっとも敗戦の昭和20年代は日本全体が貧しかった。  昭和30年頃から景気がよくなり始めたが、あまり関係なく地方公務員は貧しかった。  まず、冷蔵庫が家になかった時代である。昭和40年頃から全国的に冷蔵庫が普... 続きをみる