卒寿小論 256 兼好の理想とする男性像(徒然草2)
兼好の理想とする男性像
「容貌や風姿がよいのがよい。しゃべりぶりも聞きやすく、やさしく穏やかで口数の少ないのがよい。」
『人は、かたち・ありさまのすぐれたらんこそ、あらまほしかるべけれ。ものうち言ひたる、聞きにくからず、愛敬(あいぎやう)ありて、言葉多からぬこそ、あかず向はまほしけれ。』(1段)
『さらに、望ましいこととして、経学(四書五経)の道、作詞・和歌・音楽の道に達していて、故事・典礼に明らかで、儀式や作法で人の模範になることこそまことにすぐれているといえる。
また、筆跡もよく、宴席では声がよく拍子をとり、酒を勧められれば、まったくの酒嫌いでないのが男としてはよい。』
現代的に言うと、イケメンで対話がうまく、穏やかで口数の少ない男、さらに、学問の道を深め、作詩、和歌、音楽に精通していて、文章を書けばすらすらと達筆で、酒も程よく飲み、歌をうたい拍子をとる。
まさに理想ですね。これを理想として生きた吉田兼好の姿を改めて徒然草の全段を丁寧に読み通して理解していこうと思う。
古典については、方丈記と奥の細道以外は全文を通して読んでいないので、本当のことはなにも理解していない。これからは丁寧に一から全文を読み通していこうと。
そんな時間があるかどうか。それでもぼつぼつ始めよう。