たばこも酒も十分に飲んでいた36歳。肥厚性胃炎で体調を崩し、この際思い切ってたばこも酒もやめた。
私にとって、36歳は人生の節目であった。36歳を人生の折り返し点としてそれから、36と1歳というように歳を数えて2度目の36歳を超えてから歳のことは忘れていった。
四苦36、八苦72、72歳を過ぎてからは、自分なりにおまけの人生として文章を書きながら晩酌を楽しんで88歳まで来てしまった。
散歩に出かけると、以前付き合っていた人たちのほとんどが居なくなっている。方丈記の行く川の流れを散歩している。
一杯のお茶から1日が始まり、一杯のお酒で1日が終わる。
妻が居て 娘(こ)が居て 我に新茶あり 正 悟
妻は西方に旅立ち、一人娘は東方で生活している。年に何回か娘夫婦が東方よりやってきて一週間程度一緒に過ごす。
おちゃけ時代で思い出すのは、知人の奥さんが静岡の人で静岡のお茶を頂いたことと、教え子の家が茶畑園を経営していて、手もみのお茶をもらったこと。これはこれまでの最高のお茶であった。
それ以後は、デパートで知覧茶、八女茶、嬉野茶、などをその日の気分で買い飲んでいる。近ごろは、ほとんど知覧茶に定着した。どれもみなそれぞれに美味いが、なんとなく知覧茶を買ってしまう。
たばこは、36歳以後はのんでいない。良い時にやめたと思う。酒は毎晩一合程度の晩酌を楽しんでいる。
四苦36,八苦72。72歳からはおまけの人生と思って生きてきた。88歳からは、おまけのおまけの人生として生きていくか。
36+72=108 108の煩悩の鐘の音を気持ちよく聞きながら・・・
そうは問屋がおろさないない。寿命はあるまで、晩酌は一生ですな