卒寿小論 306 江戸小咄と下ネタ
江戸 笑話集ブームの中でも下ネタの多い笑話集が「きのふは今日の物語」だそうである。おいおい調べて見るが、どの笑話集もそれなりに軽い下ネタ話を取り上げている。
する気
せんき持ち、遊びに行ったが、あまり冷えるから股火鉢をしている。女郎見て、
「いけ好かない。疝気でありんすの?」
「いいや、する気だ。」 (今歳花時)
参考 疝気という病気は現代でいうと「胆石や腎臓結石、尿道結石」などの石持ではなかったのかと思われる。
そんなら天女は
「モシ,大家さん、夜這いのことを豆泥棒というのは、どういう因縁でござ
りやす」
「ハテ、女の隠しどころを豆というわサ」
「ヘエ、わっちらのかかァなんざ、何だろうね」
「素人だから白豆サ」
「ヘエ、芸者や女郎のは」
「くろうとだから黒豆サ」
「乳母(おんば)のは」
「大きいからナタ豆とでも言うようなものサ」
「十六七の娘のは」
「おしゃらく豆サ」
「こいつァいい、そんなら天女はどんなものなんだね」
家主しばらく考えて、
「ハテ、空豆サ」 (一口万重)
参考 おしゃらくは、昔、関東の女言葉で「おしゃれ」
江戸時代の乳母の面接試験では、大柄で健康が第一条件であったそうだ。