卒寿小論 343 ずるいやつほどよく眠る
尻からはいる <小学生の時に経験済み>
谷風に小野川、両大関の一番ときては近年にない大入、札を買ってもはいれぬ込み合い、仕方
なく裏へ回り、かこいを破り、犬のように這って入りかかると、うちにいる世話やきがみつけ、
「コリャコリャそこからはいってはいかぬ」
しばらく思案して、今度は尻からはいりかかると、また中の世話やきが見つけ、
「コリャ、そこは出るところじゃない」と帯をつかんで引きずりこんだ。 (鹿子餅)
免 疫 <対策や言い逃れは慣れていますよ>
新橋のへんから籠に乗せ、二三丁行くと、
「もうし旦那、裸になりなんせ」
「なぜだ」
「このごろは物騒でなりやせん、着物を下に敷きなされ」
十丁ばかり行くと、案にたがわず六尺ばかりの大男、棒鼻をつかまえれば、駕籠かき、
「これはもう済みました」 (浮世はなし鳥)
打 開 策 <打開策ってこんなもんかも>
「コレどうして下さる。きょうじゅうに払って下され」
「遅くなって気の毒ですが、もちっと待って下され、ちゃんとして当てが三ッござる」
「どんな当てだの」
「一ッは、拾うかも知れず、二ッは誰かがくれるかも知れぬ」
「とんでもない当てだ」
「イヤもう一ッは、もっとたしかだ」
「イヤそのうち貴公が死ぬかも知れぬ」 (再成餅)
令和裏金問題を見ていると(ずるいやつほどよく眠る)のがよくわかる。