卒寿小論 352 俺って、正しく文章読めてるのかなあ
我ながら、文章の読みの浅さに驚く。
特に、時事問題の評論や解説を読んでいて、やっと文章の背景にあるものを読み取ることができるようになった。
文章には、その背景に「ある意図」や「利害」が、隠されていることが多い。この背景を正しく理解していないと「だましの表現技術」や「数字のマジック」によって本当の姿を読み取ることができないことをこの歳になってやっと会得した。
これから次のようなことを配慮しながらもう一度かって読んだ文章を読み直していくことにしよう。
だましの表現
1 一つのことを強調してそれが全体のことのように思いこませる。
2 前提と結論を逆転させることにとって、解釈を変える。
3 複数の選択肢の中から一つだけ正解を選ばせることによって、正解はこれしかないと思
い込ませる。
4 自分の言いたいことは、他人の言として発信する。
5 関心のあることには、そ知らぬふりをして対応する。
6 99パーセント事実を述べ、1パーセントでうそをつくと嘘が事実になる。
7 母集団(分母)を変えることによって比率を変える。数字のマジック。
まだまだ「だましのテクニック」はあるが、以上の7つのことに気を配りながら、時事問題を読んでいくように心がけよう。根が単純で馬鹿ですから、すぐに騙されます。
以前落語で面白い問題がありました。(3の例題)
「ここに蜜柑4個ある。3人で平等に分けるにはどうしたらよいか。」
誰もが考えることは、先ず、4個の蜜柑を一個ずつ3人に配り、残りの1個を3等分する。
これが学校教育での分数の指導の基本である。(1と3分の1)
落語の中に出てくる子供の答えは、
「4個の蜜柑を全部ジュースにして、3人で分ける」 笑っちゃたね。
蜜柑の大きさも違うので、これが一番の公平だと子供の意見。
正解は(1と3分の1)しかないと思っている先生はどう対応したのだろうか。
2の例題
「政治には金がかかる」だから「裏金に手を出した」
「裏金に手をだした」のは「「政治に金がかかるから」
これをどう読み比べますかね。裏金に手を出したことが悪いのか、政治に金がかかるのが悪いのか。
1と6は共通しただましの表現で、この例は身近にいっぱいである。特に○○評論家と言われる人の文章に多い。
右も左もうまく利用していますね。