卒寿小論 353 いじめは神代の初めから、永遠の課題
古事記の神話を読むと「いじめと戦争」は天地開闢、国の初めからの永遠の課題である。
大国主命(おおくにぬしのみこと)の物語など壮絶ないじめと戦争の歴史である。
学校などでの実態調査をすると「いじめはありません」という報告が多く出てくる。
いじめのない集団、学校や地域コミュニティーは皆無に近い。学校や地域の調査に回答した人が「いじめ」に関心がないか。いじめがあっても立場上うその報告をするかであることが多い。
いじめはありませんと報告をした学校から自殺者がでてはじめていじめ問題の事実を調査することがある。
学校管理者や教師は、「いじめ」や「不登校」などの問題には関心が薄いようである。だから、早期発見や早期対策は問題が発生してから緊急事態に追い込まれて行動を開始することの方が多い。
学校における「いじめ」や「不登校」などの問題はまず学校で実態を把握し、その対策を立て実行しなければならない。発生した現場が一番よくその問題を理解し、その解決方法を提案できなければならない。
外部の専門家に任せるような対応の仕方では本当の解決は無理である。学校現場にいる管理職や教師こそがその道の専門家でなければならない。
いじめの内容やその方法は時代とともに少しずつ変化していくようである。
いじめの第一は今も昔も仲間外れである。第二が言葉によるいじめである。第三が暴力によるいじめ。
いじめの解決方法は、時代とともに大きく変わってきている。
家庭の中に祖父母や兄弟や親せきなどが同居するか近くにいた場合は、意外と解決の方法が早く見つかった。
現代のように核家族となり一人っ子か多くて二人の核家族で、親戚も近くにいない、地域集団も壊れて心を癒したり相談したりする場所がない。
部活や地域のクラブに所属している子供はまだよい方であるが、今、部活や地域のクラブでの問題もあるようである。
学校が主体性をもっていじめ問題の解決に家庭や地域を取り込んでよく見えるような仕組みや方法を構築していくことが必要である。
学校での対応の第一は、いじめ防止に対する関心を持つことである。子供との関わりの場を多く作ること、個人との関わる場所を多く作ることが重要である。
校長は校長室を解放してこどもに接する。学年では昼休み等を利用して子供と接する場を設ける。いろんな角度から多くの教師が個人と接する場を設けることが解決への手掛かりとなる。
具体的な実践例があるのだが、詳しくは次の機会に発表することにしよう。
一つは、校長室解放の例。 二つは、学年単位で昼休み自由に過ごせる教室。 三つは、一人のためにその子にあったクラブ活動を新設。