卒寿小論 683 憲法はドラマ 主役は誰だ?

ドラマの主役は誰だ。主権は国民にあっても、国民が直、主役になるというより、
国民の支えによって主役が決まると考えた方が理解しやすい。
日本国憲法においては、天皇の国事に関する行為は「内閣の助言と承認」を必要とするので、国民に選ばれた国会議員の「内閣」が主役になる。天皇の役割は「副」である。
参政党の憲法では、天皇は、元首として国を代表し、内閣の責任において、以下の事項を裁可することができる。
(例、内閣総理大臣、国務大臣、国会の議長及び最高裁判所長官の任命)
「内閣の責任において」は、曖昧である。主役は天皇になっているような曖昧な表現である。
天皇は、全国民のために、詔勅を発する。(詔勅は、天皇の命令や意志を伝える公文書)
日本会議の憲法では、日本国は立憲君主国である。天皇は日本国の元首であり、
日本国の永続性及び日本国民統合の象徴である。
天皇は元首として、内閣の補佐に基き左の行為を行う。(例1、内閣総理大臣の任命)
内閣の承認は必要なく、内閣の「補佐」で、天皇が主役を演じられる。
自民党憲法では、天皇は、国民のために、国会の指名に基づいて内閣総理大臣を任命する、
国会が主役になる。
資 料
1 日本国憲法(現行) 第1章 天皇
第1条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日
本国民の総意に基く。
第2条 皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを
継承する。
第3条 天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責
任を負ふ。
第4条 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
2 天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。
第5条 皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。この場合には、前条第1項の規定を準用する。
第6条 天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。
2 天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。
第7条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
二 国会を召集すること。
三 衆議院を解散すること。
四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任
状を認証すること。
六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
七 栄典を授与すること。
八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
九 外国の大使及び公使を接受すること。
十 儀式を行ふこと。
第8条 皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議
決に基かなければならない。
2 参政党 新日本憲法構想案 第一章 天皇
第一条 日本は、天皇のしらす君民一体の国家である。
2 天皇は、国の伝統の祭祀を主宰し、国民を統合する。
3 天皇は、国民の幸せを祈る神聖な存在として侵してはならない。
参考 しらす=君徳、天皇による公平な政治。
(皇位継承)
第二条 皇位は、三種の神器をもって、男系男子の皇嗣が継承する。
2 皇位の安定継承のため、皇室は、その総意として皇室典範を定める。
3 皇族と宮家は、国が責任を持ってその存続を確保しなければならない。
(天皇の権限)
2 天皇は、元首として国を代表し、内閣の責任において、以下の事項を裁可することができる。ただし、同じ事項につき内閣から重ねて奏請があったときは、これを裁可する。
一 内閣総理大臣、国務大臣、国会の議長及び最高裁判所長官の任命
二 憲法、法律、政令及び条約の公布
三 国会の召集、衆議院の解散及び国政選挙の公示
四 条約んぼ批准、外交使節に対する全権委任、国賓の迎接
五 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権の認証並びに栄典の授与
六 その他国政に関して重要なものとして法律で定めた事項
3 摂政は、皇族に限り、皇室典範に基づき権限を行使する。
3 自民党憲法草案 第一章 天皇
第1条(天皇) 天皇は、日本国の元首であり、日本国及び日本国民統合の象徴であって、その地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。
第2条(皇位の継承) 皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。
第3条(国旗及び国歌)
1 国旗は日章旗とし、国歌は君が代とする。
2 日本国民は、国旗及び国歌を尊重しなければならない。
第4条(元号) 元号は、法律の定めるところにより、皇位の継承があったときに制定する
第5条(天皇の権能) 天皇は、この憲法に定める国事に関する行為を行い、国政に関する権能を有しない。
第6条(天皇の国事行為等)
1 天皇は、国民のために、国会の指名に基づいて内閣総理大臣を任命し、
内閣の指名に基づいて最高裁判所の長である裁判官を任命する。
2 天皇は、国民のために、次に掲げる国事に関する行為を行う。
一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
二 国会を召集すること。
三 衆議院を解散すること。
四 衆議院議員の総選挙及び参議院議員の通常選挙の施行を公示すること。
五 国務大臣及び法律の定めるその他の国の公務員の任免を認証すること。
六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
七 栄典を授与すること。
八 全権委任状並びに大使及び公使の信任状並びに批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
九 外国の大使及び公使を接受すること。
十 儀式を行うこと。
3 天皇は、法律の定めるところにより、前2項の行為を委任することができる。
4 天皇の国事に関する全ての行為には、内閣の進言を必要とし、内閣がその責任を負う。ただし、衆議院の解散については、内閣総理大臣の進言による。
5 第1項及び第2項に掲げるもののほか、天皇は、国又は地方自治体その他の公共団体が主催する式典への出席その他の公的な行為を行う。
第7条(摂政)
1 皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名で、その国事に関する行為を行う。
2 第5条及び前条第4項の規定は、摂政について準用する。
第8条(皇室への財産の譲渡等の制限) 皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が財産を譲り受け、若しくは賜与するには、法律で定める場合を除き、国会の承認を経なければならない。
4 日本会議 新憲法の大綱
二、天 皇
我が国の歴史をふまえ、天皇の地位と権能を明確にする
(1)日本国は立憲君主国である。
天皇は日本国の元首であり、日本国の永続性及び日本国民統合の象徴である。
(2)天皇は元首として、内閣の補佐に基き左の行為を行う。
1、内閣総理大臣の任命
2、衆議院及び参議院議長の任命
3、最高裁判所長官の任命
4、憲法及び皇室典範の改正、並びに法律及び政令の公布
5、条約の批准並びに公布
6、国会の召集及び衆議院の解散
7、衆議院議員の総選挙及び参議院議員の通常選挙の施行の公示
8、国務大臣及び法律の定めるその他の公務員の任免
9、全権委任状及び外交使節の信任状の授与
10、外交使節の接受
11、栄典の授与
12、元号の制定
13、恩赦
14、儀式
(3)天皇は伝統に基く祭祀、儀礼その他象徴にふさわしい行為を行う。
(4)天皇の行為については内閣が全て責任を負う。
(5)元首及び象徴の尊厳は守られるべきことを明記する。
[今後の検討事項]
1、皇室典範の整備(践祚(ぜんそ)及び大嘗祭、皇族の監督権等について明記し、皇統についても触れる。なお皇室典範は法律ではあるけれども、その改正のためには皇室会議の審議を要するものとし、皇室が実質的に関与することによって一般の法律とは異なる扱いをする)。
2、皇室経済法の整備(相続税の適用除外等の明記)。
3、宮内庁の位置づけの再検討。
4、その他皇室関連法規の整備。