syougoのブログ

余命ゼロ年代を生きるために

大分県のブログ記事

大分県(ムラゴンブログ全体)
  • 卒寿小論 87 花に嵐のたとえもあるぞ <掌編23>

     歳をとってくると時々夢を見ていると意識して夢を見、夢ではないと意識しながら夢を見ている時がある。夢と現実が夢の中で交差する。何とも不思議な体験をすることがある。  ある日、ばったりと、仏さまにおあいいたしました。  絵や彫刻にある仏さまのお姿とすこし違っていましたので、最初の数分間は判断がつきま... 続きをみる

  • 卒寿小論 83 吉統(義統)最後の戦 <掌編22>

                       「吉」の字を秀吉より頂く(かたいみな)  大友宗麟の嫡子、吉統(よしむね)は、吃りであった。  吉統が吃り始めたのは、ちょうど満二才の誕生日を過ぎた春、一五六〇(永禄三年)の桜の花が春の嵐に舞い散る心の痛む一日であった。  この日、吉統は強い風のために庭に出る... 続きをみる

  • 卒寿小論 73 戦後のままの紅ダリア <俳句12>

                               ダリア 季節の花300より              花言葉 「華麗」「優雅」「気品」                  「移り気」「不安定」   排ガスに息絶え絶えの百日紅      公害は続いているのか。忘れてたよ。   故郷は戦後のままの... 続きをみる

  • 卒寿小論 70 カウンセラーも妻に手を焼く  <凡太>

              酒飲めるのを確かめ禁酒する      何度確かめたことか。あれから禁酒はやめにした。   甲斐性なし妻の器用が仇となる      妻の性にしてはいかん。君の実力だよ。   カウンセラーも妻に手を焼く日曜日      理論と実際は理屈どおりにはなかなか。先生方は理屈っぽいね。  ... 続きをみる

  • 卒寿小論 45 マッタケ  <掌編11>

                      カエデ 季節の花300より           花言葉 「大切な思い出」「美しい変化」「遠慮」 「もう焼けたんじゃないんか。焼けたら一番にばあちゃんに持っていかにゃあ」  長男のはじめは、酒の燗をつけながら、妻の滝子に言った。  村の秋祭りの日、おかよばあさんの... 続きをみる

  • 卒寿小論 31 タ ニ シ ど ん <掌編 5>

                          大分合同新聞掲載の挿絵より  昨日の寒さはうそのように、今日は春めいた風のない日差しが窓から差し込んでいた。机の上には、首を高く突き出したシクラメンの花が四つ咲いていた。  社員は昼食に、また、昼休みのスポーツにと部屋を出払って、一人健吉だけが妻の手作り... 続きをみる

  • 卒寿小論 23 5月のレクイエム 「う そ」 <掌編 2>

     5月の連休に喜寿を祝う同窓会に参加した。  古希の同窓会が最後の同窓会になると思っていたのに、あれから7年過ぎて仲良し3人組が元気で喜寿の同窓会を迎えた。  今回の同窓会は皆の胸の内に最後かもしれないという思いがよぎった。  小学校から高等学校まで同級生として柔道や陸上を共にしてきた。卒業しても... 続きをみる

  • 卒寿小論 16 逢えてうれしや <教育>

    「逢いたかったぜ3年ぶりに  」 「先輩 昨日会ったばっかりです。」 「逢えてうれしや 飲もうじゃないか  」 「有難うございます。」  先輩は、高校、大学そして就職とずっと先輩であった。先輩は一回り年齢が上で大学になる以前の旧制の師範学校の卒業生であった。だから、直接の接触は教職についてからであ... 続きをみる

  • 卒寿小論 15 手も足となり <俳句 9>

             手も足となり起き上がる夏の朝   正 悟(俳号 藤掌)                       甥から貰った一粒の種が  いやあ、ひどかったですね。50代後半に突然やってきた50肩。布団を敷いて横になったまま身動きの出来ない痛みは初めての経験でした。整骨院に通い半年ほどで完治... 続きをみる

  • 卒寿小論 14 しぐるるや <俳句 8>

        しぐるるや人のなさけに涙ぐむ  山頭火           コスモス 季節の花300より     花言葉「愛情、たおやかさ」「乙女の真心」        「調和」「謙虚」。  定年退職をした年の11月、妻と湯平温泉に出かけた。 駐車場に車を置き、湯平温泉名物の石畳を登り始めて直ぐ、時雨に出... 続きをみる

  • 卒寿小論 3 夏河を超すうれしさよ <俳句 3>

     学生時代友人と4人で別府市街地から夏山の登山をした。別府市街地から由布山まではかなりの距離であったが少しもきついとは思わず一気に由布山頂まで歩いた。  由布山頂についてウイスキーの水割りで乾杯をした。  4人とも学校を出るとすぐに大分県内の学校に就職した。  これほどの距離を一気に歩いたのは後に... 続きをみる