syougoのブログ

余命ゼロ年代を生きるために

卒寿小論 14 しぐるるや <俳句 8>

    しぐるるや人のなさけに涙ぐむ  山頭火


    

     コスモス 季節の花300より
    花言葉「愛情、たおやかさ」「乙女の真心」
       「調和」「謙虚」。
 定年退職をした年の11月、妻と湯平温泉に出かけた。
駐車場に車を置き、湯平温泉名物の石畳を登り始めて直ぐ、時雨に出会った。
急いで目の前の小店にて雨宿りをさせてもらった。
「どうぞ。」と言って、店の女主人が茶を勧めてくれた。


「ありがとうございました。」と湯のみを返して、奥に目がいった。


 山頭火の掛け軸が、眼に止まった。


  しぐるるや人のなさけに涙ぐむ    山頭火


「今日は湯平温泉の山頭火祭りの初日です。どうぞごゆっくりと楽しんでください。」


山頭火の作品を展示している「時雨館」に入った。


  どうしようもないわたしが歩いている
  さてどちらへゆこうかかぜがふく


  秋風の旅人になってゐる山頭火
  やっぱり一人がよろしい雑草の中


  いつでも死ねるかいつでも死ねる


 参 考
1882年(明治15年)12月3日、山口県佐波郡の大地主、種田竹次郎とフサの五人兄妹の長年として生まれる。本名 種田正一(しょういち)正一11歳の時に33歳の母が自宅の井戸に投身自殺。この母の死が山頭火の生涯に大きな影響を与えた。


1902年(明治35年、20歳)早稲田大学文学部に入学するも1904年神経衰弱のために退学。


1911年(明治44年、29歳)の時に結婚。長男健が生まれる。
1924年(大正14年、42歳)得度して、「耕畝(こうほ)」と改名。
1932年(昭和7年、50歳)体調不良から自殺未遂を起こす。
1940年(昭和15年)10月11日、脳溢血のため一草庵で生涯を閉じた。享年58

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