卒寿小論 28 惚れたとは女の <江戸川柳>
木 瓜 季節の花 https:www.hana300.com/
花言葉は「指導者、先駆者、早熟」
「好きだった 好きだった 嘘じゃなかった好きだった こんな一言あの時に
言えばよかった・・・」
宮川哲夫作詞 吉田正作曲 鶴田浩二の歌を口ずさむ。
江戸時代であろうと現代であろうとなかなか「好きです」とか「惚れています」なんて言う葉は言えるもんじゃない。
そんな言葉を平気で言えるようになったときはずうずうしく歳を取ってしまってからのことで、若いうちは言えない言葉だからこそ価値がある。
1 惚れる
ほれたとは女のやぶれかぶれなり
貝原益軒の女大学が幅を利かせていた時代に、女の美徳として女から「惚れた」というのはよほどの覚悟がいる。
現代でも女性の方から告白するときは、男性の方にそれなりの態度があってのことであり、これで男性が逃げていけば大変なことになる。
男は覚悟しなければならない。「やぶれかぶれ」の生活がもうそこまでせまっている。怖いことである。
2 棒
棒の手を見せるが客へちそうなり 見事な麺棒さばき
家の親父さんは手打ちうどんや手打ちそばはプロ並みであった。地方公務員にしておくのはもったいない腕を持っていたが腕を生かさないままに終わった。それもいいか。
そばを打つ音もちそうの数に入り 音がちそうになるのは少ない。
棒の中めんぼくもなく酔は醒め 辻番や自身番の棒ではね。
棒ほどの事針ほどに母かばひ 棒大針小の母心、いいね。
3 ほころび
ほころびを笑ふは内儀ぬふ気なり 縫ってくれるんだ。ありがとう。
ほころびと子をとりかへる壱人者 子守りたのむよ。はあーい。
4 牡丹餅
ぼたもちをいさぎよく喰ふ嫁の里 つきもの(姑)が落ちたのかな。
ぼた餅も砂糖しだいで息子喰い 実利主義者。うまくいけばそれもよし。
参考=ぼた餅は醜婦の異名。砂糖は持参金。
ぼたもちとぬかしたと下女いきどおり 愛しさの裏かも。難しい。