卒寿小論 27 木のことは木に訊け <教育>
桜 季節の花300より
花言葉は「精神の美」「優美な女性」
ある植木屋さんが「木のことは木に訊いてみる。」と言った言葉を思い出す。
木の声を確り受けとめ木の生き方に沿って手助けをする。花芽の準備をする時期、花を咲かせ実を結ぶ準備をする時期と1年間を通して木は生きている。
そしてそのことが木の生涯の在り方を決定づける。
木も人も同じことである。生涯の生き方を教育によって決定づけられる
日本の教育については、教育基本法と学習指導要領と教科書によって決定づけられている。
教育の基本は教育基本法にはじまる。
であるのに教育に関係する政治家をはじめ教育に携わる教師までもこれを読んでない人が多い。
教員採用試験の時によみ校長教頭任用試験の時ぐらいによむ程度である。教育の研究指定校になると関係する教師はかなり深く読むことが多い。
教育基本法をまともに読まずに教員生活の定年をむかえる人も多いようだ。
機会があれば全日本国民に分かりやすい解説書的な教育基本法を配布し読んでもらいたいものである。
問題は教育基本法を真剣に読んだからと言ってまともな教育活動ができるわけではない。
教育の本当の基本は教育基本法の前に子どもや親の考えに耳を傾けることである。
患者の声に耳を貸さずに医療活動はできない。国民の声を無視して政治活動はできない。
患者の声を聞かずに医療活動を行い。国民の声を聞かずに政治活動を実行しているように教育もまた直接教育を受ける子どもや親の声を聞くことなしに実践されていることが多い。
為政者や教育者は教育の目的をどうとらえているかが問題である。
一人一人の個性を伸ばし人格の完成を目指すのはもとより、教育が国民のために生きて役立つ内容や仕組みを持っていなければならない。
ここが教育基本法の出番である。
明治憲法下における教育は、天皇の命令である「教育勅語」により定められ、国民はその目的に向かって教育を受ける義務があった。
しかし、現憲法下における教育の基本は国民主権の国民の意思に基づく教育目的であり教育内容であり教育方法である。
ここに「子どものことは子どもに訊き、親のことは親に訊き、国民のことは国民に訊いてみる。」為政者の生き方が重要になって来る。
国民の意思に基づいた教育目標を確りと抑えて、教育基本法を読み直してみる必要がある。
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