卒寿小論 184 恋のひとつは分別の外 <前句>
元禄 前句付け「6」 (前句)恋のひとつは分別の外
髪切れど鏡に切らぬ顔の艶 恋のひとつは分別の外
参考 髪を切る=尼の髪型。垂れ尼ともいう。肩のあたりに髪を切り揃える。
分別の外=恋は闇。恋は盲目。恋は思案の外。と同じ。
若すぎる。美しすぎる。未亡人。
夫がなくなると、髪を切るのが習慣で、髪を切ったものの鏡に映る我が姿。隠すに隠せぬ色香の匂い。
先夫への義理も一段落すると、まわりもほっとかないし、当人の心もどうしようもない。恋心の炎が燃え盛って来る。
江戸の市中に新しいドラマが幕を開ける。西鶴や近松の出番だ。
芍薬 季節の花300より
あなた若くて 美しすぎる (アーどうしたどうした)
その上おまけにネ 未亡人 ダンチョネ (エーなんとなんと)