卒寿小論 362 「細うで繫盛記」懐かしい
「銭の花の色は清らかに白い。だが蕾は血がにじんだように赤く、その香りは汗の匂いがする」
新珠三千代さんのオープニングナレーションで始まるドラマ「細うで繁盛記」懐かしいです。
1970年(昭和44年)1月8日から、始まった花登筺原作の「銭の花」より。
大阪生まれの加代が伊豆熱川温泉の老舗旅館「山水館」の元に嫁ぎ、旅館を盛り立てていく物語。
私が30代前半のこれからバブル時代に入ろうかと言う時の読売テレビ制作のドラマである。
時を同じくして、義姉は旦那をなくし、女の細腕(本当は太腕)で、旅館から割烹旅館へと切り替え昭和の全盛時代を築いた。
すらりとした新珠三千代さんとは違って肉付きの良いタイイプであった。昭和の時代を代表する女優、音羽信子と淡島千景さんにどことなく似ていて男好きのするタイップであった。
頭が切れて度胸がある義姉は、周りの人から「おかみ」にしておくのはもったいないと政治の道を勧められたが見向きもせず「おかみ」一筋で一生を終えた。
ある年、市内納税者の3本の指に入った。突然の税務官のガサイレで問題を指摘された。
その時の税務官が退職をして、税理士事務を開くとすぐにその事務所を顧問に据えた。それ以後は納税者ベスト10には入らなくなった。
いろんなことを元税務官の税理士から伝授され抜かりなく対応できるようになった。
細うで繁盛記から、懐かしく義姉のことを思い出し、よき昭和の時代を回想しているところである。
義姉を主人公にすれば1本の小説が書けるが、私にはその才がない。残念。