卒寿小論 116 みな色と金じゃとゑんま帳を <江戸川柳>
えごの花 季節の花300 https:www.hana300.com/
花言葉は 壮大
1 閻 魔(えんま)
なめ過ぎた丁稚えんまへ行かぬ也
閻魔=蔵前に焔魔堂があって、正月と7月の16日の斎日には、藪入りの少年店員が参詣するのが習。
藪入=奉公人が正月および盆の16日前後に、主家から休暇をもらって親元などに帰ること。また、その日。
人間誰も初めのうちは習慣に素直に従って生活をするが、その内に慣れてきて、生意気になると伝統も習慣も掟も無視して自分勝手に生きていく。
特に都会の享楽的な環境の中ではすぐに感化されて純朴さを失っていく。
みな色と金じゃとゑんま帳を繰り
地獄の閻魔様もよく心得て、閻魔帳に書き付けていく。地獄の沙汰もか。人間の性であり、永遠の課題である。
2 江 戸
江戸は朝京は夕暮じまんなり 江戸は紫、京は紅、ハイレベルの自慢比べ。
参考=春はあけぼの・・・紫だちたる雲、京は紅の染め物が自慢。
3 江の島
江の島の十里こなたに三日居る 十里手前は品川です。
ふみ出して十里こなたで出来心 計画的じゃないの、怪しいもんだ。
片棒をかつぐゆうべの鰒(ふぐ)仲間 成仏してくれよなア
ふぐ売りは一生後家に恨みられ あんたのせいよ。主人を返して
ようてうとたおやかにしてふぐも喰い 勤めの憂さをしばし忘れよう
参考 ようてう=窈窕(ようちょう)美しく繊細なこと。たおやか=優にやさしいこと。 ふぐをを喰うのは吉原あたりの高級遊女であろう。
4 縁 遠 さ (えんどおさ)
あの男この男とて古くなり めんくいだからなあ