卒寿小論 189 まはりてつらし予(わ)が三重の帯 (前句)
元禄 前句付け「7」 (前句)まはりてつらし予(わ)が三重の帯
吹懸(ふきかくる)かゞみに弱る息の勢(せい) まはりてつらし予(わ)が三重の帯
参考 三重の帯=恋やつれの為に三度も回ると強調している。
許されぬ恋。やつれてやせ細った娘。親の心配は大変だな。母親も一緒になってやつれてしまうものだ。
もしもあの人にあった時にと、常に手鏡を持ち自分の姿を映している。くもり手鏡に息を吹きかけてぬぐうのにその吐く息の力まで日ごとに弱くなっていくようだ。
みだれ髪 歌 美空ひばり 作詞 星野哲郎 作曲 船村 徹
「三」 春は二重に巻いた帯 三重に巻いても 余る秋
暗や果てなや 塩屋の岬 見えぬ心を照らしておくれ
ひとりぼっちに しないでおくれ
「みだれ髪」原点はここにあったのか。手紙から電話やスマホに代わって「恋の病」も変化してきたようだ。
「まはりてつらし予(わ)が三重の帯」そんな時代が懐かしい。
植えた記憶もないのに毎年咲く 鹿子百合