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余命ゼロ年代を生きるために

卒寿小論 258 兼好法師の色の道(徒然草3)

         兼好法師の色の道 


 兼好法師は相当のイケメンで自信家であったのだろうと思われる。


 つれづれ草の第1段のしょっぱなから、『人は、かたち・ありさまのすぐれたらんこそ、あらまほしかるべけれ。』(容貌や風姿のよいのがよい。)
これは相当の自信があっての言葉とみる。


 更に、序段の『あやしうこそものぐるほしけれ。』という言葉にも兼好の体質的なことに関心が持たれる。


 彼の家系(神祇官)から見て、出生死別の年が不明なのも気になるところである。
こんなことを気にしながら243段を丁寧に読み進めていくことにしよう。



『万(よろづ)にいみじくとも、色好まざらん男(おのこ)は、いとさうざうしく、玉のさかづきのそこなき心地ぞすべき。・・・』(第3段)


「恋心の動かない男はつまらない。親の意見も周りの人の眼も気にしないで、夜も構わず出あるき回るのがよい。そうかといって女からくみしやすいと思われるような男ではだめ。」


『世の人の心まどはす事。色欲にはしかず。人の心はおろかなる物かな。・・・』(第8段)


「人の心を迷わす第一は色欲である。人の心のなんと愚かなことか。とはいっても、久米仙人の神通力おも失わせた(女の白きすね)、まったく同感である。」


『女は髪のめでたからんこそ、人の目たつべかめれ。・・・』(第9段)


女の黒髪、白い脛などは男の情欲を抑えがたい。男は情欲を自ら戒め恐れ慎まなければならない。」


  参考 仙人 (せんにん) 江戸川柳より


  仙人さまあとぬれ手でだきおこし
    
   仙人=久米仙人、吉野で修業して飛行の術を身につけたが、まだ未熟仙人で吉野川で
      洗濯する女の白脛をみて墜落。


  仙人をしろうとにする美しさ     仙術もきかなくなるんだ
  女湯を見たらとそしる仙仲間     たけた仙人、年の功だな
  黒い所まで見ようなら久米仙人即死  純が仙人への受験資格か


      兼好法師と色欲は彼の生き様の大きな問題であったのだろう。


      

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