卒寿小論 260 出生、没年不詳の謎多き吉田兼好(徒然草5)
出生、没年不詳の謎多き吉田兼好
吉田兼好の家系は代々神祇官あるいは太政官として奉仕してきた。
兼好の父、兼顕(かねあき)は治部少輔、兄の慈遍は大僧正、兄の兼雄は民部大輔の官職にあり、兼好は蔵人・左兵衛佐の仕官であった。
治部少輔は官職四等官の2番目である。長官(かみ)の次が次官(すけ)、3番目が判官(じょうかん)で4番目が主典(さかん)で、兼好は判官(じょうかん)である。
父と兄二人は官位上から2番目の次官(すけ)で、兼好は3番目の判官(じょうかん)であった。
参考、大僧正は大納言に準じる。次官(すけ)の官位である。
兼好はなぜ次官(すけ)にならなかったのか。晩年の兼好の生き方と何らかの関係はないか。気になるところである。
出家のことや出世のこと、「物狂おしい気持ち」になる体質、優秀な能力、相当なイケメンであっただろうことなど気に掛けながら兼好の姿を追い求めてみよう。
出生、没年の不詳のことを兼好の謎として謎解きの気持ちで作品を読み進めていく。
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