卒寿小論 265 教員不足で思い当たる二つのこと<教育9>
教員不足で思い当たる二つのこと
第一は、政権与党とある集団による激しい日教組(日本教職員組合)に対する攻撃である。
第二が、日教組内部の組合員に支持されない幹部の勝手な行動である。
第一の激しい攻撃で、憲法も労働基準法もその役割を果たさない日本国家になってしまった。
第二は、組合の資金を使って、自分の立身出世のために動いた組合幹部の存在である。
憲法も労働基準法も当てにならない国家。組合員や国民のために働かなければならない組合幹部が選挙のたびに「資金カンパ」の金を自由につかったこと。
先輩の組合幹部から聞いた話であるが、一度の選挙で札束が縦に立つ量(約500万円)の金をカバンに入れて選挙応援に駆けまわったということ。領収書も事後報告も一切なし。
このことで一部の組合員、特に若手が組合を脱退していった歴史がある。
憲法や労働基準法、そして日教組の選挙資金のカンパなど、今はどうなっていますかね。
日教組潰しが激しかったけれどもそれで日教組が潰れたわけではない。組合内部の問題でかつての組合の力はなくなり弱体化したことには間違いない。
どうですかね。日本国憲法や労働基準法は生きていますかね。
このようなことが何十年も続いて教員不足の問題が表に出て来たわけである。
若者はとくに、日本国民が夢を持てない、理想を熱く語れない時代が今の教員不足の問題と重なっていると感じられる。
1970年(昭和45年)大ヒット曲、藤田まさと作詞、吉田正作曲、鶴田浩二の歌を口ずさんでしまう。今のご時世だよなあ。
「・・・生まれた土地は荒れ放題、今の世の中右も左も真っ暗闇じゃござんせんか。」
1 何から何まで 真っ暗闇よ すじの通らぬことばかり
右を向いても 左を見ても ばかと阿呆のからみあい
どこに男の夢がある
昭和40年代、藤田まさとさんは任侠(やくざ)の世界を舞台に作詞したのに、今じゃ政治の世界をはじめあらゆる集団に通じる歌に聞こえてくる。
夢の持てない理想を語らない今、教員不足どころか少子化が大手を振ってあることになる。一国民としてはどうすりゃいいんだ。
夢を実現させていった油屋熊八像