卒寿小論 296 いつ死んでもいい…桃紅格言8
“いつ死んでもいい” は本当か
『長く生きたいと思うのは、生き物としての本能。年老いるとそうなる。』
~103歳だからわかる。生きているかぎり、人生は未完成。』~篠田桃紅
長く生きたいという本能は確かにあるのだが、一方でいつやって来るか分からない死を待つよりも、いっそのこと死を迎え撃つ方が気分的に楽になることもある。
しかし、実際にはそうはいかない。
三島由紀夫のように死を迎え撃った人もいる。意外と精神的な面での繊細さが自分の死まで自分で決断する方が不安を解消していくタイプであったのかも。何となく理解できる
死を待つ不安よりも死に向かって行く方が心の安定を保つ性格の人もいることは納得である。少しばかり自分もそのような傾向を持っている。だからといって実行に移すことはできない。
どこまで生きても人生は未完成。そうであるならばある条件で安楽死を合法化することも良いのでと思っている。
103歳の時に死について私はどのような考えを持っていることだろう。そこまでは生きないと思うが、確認してみたい気もする。