卒寿小論 310 何歳からでも始められる 桃紅格言13
なんでも言っておく、伝えておく
『老いたら老いたで、まだなにができるかを考える。
~長生きするほどに、この世の中と隔たるけれど。~篠田桃紅』
「カットするもの、修正するもの、新しく始めるもの」と三つの視点で生活を振り返っている。流石に80代に入ってくると新しく始めるものはほとんどなくなってきた。
と言って、カットするものもそんなにない。
今までの行動を修正することのほうが多くなった。
車の免許証を返納して、車の生活をカットしたことで新しい生活が始まった。歩く生活、バスの利用やタクシーの利用が新しく始めたことの第一である。
82歳、周りのみんなは免許証返納はまだ早いと言ってくれたが、ちょうど良い時に車を手放したと納得している。
車を手放した当座は500歩、歩くのもしんどかったが5年が経過して3000歩から5000歩ほどを歩けるようになった。これは大正解であった。
酒の量も晩酌、200㏄程度に抑えるようになった。これも正解。
今、カットも修正もしないで、続けているのが読書と執筆である。読書も執筆も創作系の作品は苦手になってきた感がある。
新しい発見や驚きの心が薄れてきたせいだと思う。いわゆる感動が小さくなっていくと「俳句」も詠めない。ましてやショートショートの一編さえも心が動かなくなるのを実感する。
いやいや、本当は感動していることもまとめることを避けているのかもしれない。
思っただけで涙が出てくる。それを文章にまとめることを思うだけで辛い。どうしても書けない状態が続いている。
歳をとったら馬鹿馬鹿しいお笑いが健康に良いのかもと、今、方向転換して笑いの世界へ舵を切っている。