卒寿小論 131 星がふりますと雨戸を<江戸川柳>
百合 季節の花300 https:www.hana300.com/
花言葉 「純粋」「無垢」「威厳」
1 夕涼(ゆうすずみ)
かんざしで星の名をきく夕涼
夕方になっても暑さがのこる夏の夜。門口に縁台をだして夕涼み。
若い娘、いや若くなくてもよい。かんざしで星を指しながら、牽牛はどれ、織姫はどれ、などと・・・風流だねえ。今は星を眺める暇もない。いやだねえ。
星がふりますと雨戸をたてゝゐる に・く・い・ふうりゅうだねえ。
2 湯上り
湯あがりは玄宗以来賞美する 湯上りが一番。まいった、まいった。
女房を湯にやり亭主酒をのみ 心置きなく・・・飲めるぞ。
不都合さ亭主湯あがり女房酒 逆も真なり。ゆっくり飲みましょ。
3 雪
銭のない雪はこたつと首ッ引 金があればどこへでも行くが、炬燵にかぎる。
此雪に馬鹿ものどもの足の跡 つわものどもが懐かしい。
雪の朝女房は逸をもって打つ 休養十分にして朝帰りの亭主を待つ。
参考=孫子の兵法、「逸(いつ)を以て労を待つ」動かずに相手の疲れを待つ。朝帰り
の疲れた亭主を懲らしめる。
かゝあもう思い切りゃれと雪の朝 どらは帰ってこないよ。勘当だな。おそろしき
4 結 納
結納はしまっておいた心持 大切にお願いします。
参考 結納を取り交わしたからと言って当人同士は自由に付き合えるわけではない。契
約をしただけで親元で確かに預かってもらうということ。
急な駆落結納とすり違い 親不孝、お許しください。
参考 親の決めた契約に不満がある場合の抵抗。昭和の時代までその名残があった。中
条きよしの「ダンチョネ子守歌」はよくその心情をとらえている。
連れて逃げれば ろくでなし 捨てて旅立ちゃ 人でなし
ふたり死んでも花はなし 思い切る気は さらになし
ああ どのみち 男の人生は 絵にはならないヨーホホイ
ダンチョネ子守歌