卒寿小論 375 令和の隠密と江戸の隠密
令和も隠密が大活躍、江戸の隠密との違いは身分が保障されているかどうかだ。
やっている仕事の中身はほとんど同じ。令和は密偵と言った方が良いかも。やはり江戸は忍びの者か間者、だろうな。
相手の弱点を徹底的に洗いざらして、それを戦に利用する。戦の始まる前から常時臨戦態勢でここぞと言う時に隠密の集めた情報を活用する。
目的は戦わずして勝ことにある。
公的資金を使って身分が保障されている現代の隠密と身分が低く収入も安定していない江戸の隠密とは相当な違いはある。
しかし、名前も身分も住所も公表していないところは現代も昔の隠密も共通している。
戦略の上で大きく違ってきたのは、ネット社会による情報合戦である。
隠密が集めた資料をもの書きのプロが常時発表できるように準備しておいて、ここぞと言うタイミングでマスコミに流す。
江戸時代でも瓦版を使っての情報戦争はあったようであるが現代のマスコミのような効果はなかった。
情報収集力が集団の力として反映される。
領収書のいらない機密費を多く持っているか、どうかが勝敗の分かれ目である。
現代の隠密の情報源は身近なよく知っている人と接することから始まる。一番手っ取り早いのが同窓会であり、講演会や趣味の会などの身近な集まりである。
女性の情報提供者は少ないようである。なんでも秘密がすぐに漏れてしまう傾向にあるとか、いわゆる自慢話でポロリと言ってしまうことがあるようだ。
男性の方はこれを命ちき、飯の種にしてプロ化している者が多いそうだ。
公的資金で隠密を雇える集団は強い。が、そういう領収書のいらない自由な資金を持っていない集団は、当然であるが情報取集力に欠ける。
政権与党になるためには、組織的に情報を集める集団でなければ万年野党に甘んじなければならなくなる。
裏情報は裏金以上に力を発揮する。
機密費のない集団は、どうやって裏情報取集シテムを組織しますかな。