卒寿小論 238 縁は異なもの味なもの (江戸)
『男女の縁は不思議で常識では判断できないことをいう。』
うちのばっちゃんは、男と女をくっつけるプロであった。
八十八歳で亡くなるまで数えきれないほどの仲人をした。
私が小学生のころ、学校から帰ると我が家のお座敷に知らない女の人と男の人がばっちゃんを挟んで真面目な顔をしてお茶を飲んでいることが多かった。
小学生の私から見ても「これは成功しないだろう」と思っていてもなぜかしら上手く結びついてしまう。
ばっちゃんには男と女を結びつける特別な才能があったのか、ただ単に男と女は結びつきやすいのか。
ばっちゃんの口癖は、男はいのちき力(生活力)があればいいんじゃ。女は元気なのが一番。ばっちゃんが結びつけた男と女は、健康で明るい仲睦まじい家庭をつくっていた。
幸せは身近なところに転がっている。
ダンチョネいろは歌
金のわらじで 探したおまえ (アーどうしたどうした)
お前百まで おれ九十九まで ダンチョネ (エーなんとなんと)