卒寿小論 303 笑いは欲求の道連れ
特に生理的欲求は笑いを誘う。食べたい・飲みたい・寝たいなど
欲望は笑いのネタになり易い。欲望も一皮むけば笑いです。
降る雪や峠の見えぬ欲の道 パロディー笑悟
友だち仙人になり、二三十年ぶりで山中で逢い、昔話に時をうつし、別れる時に、
「貴様にみやげをやろう」と、小石を指さすと、仙術でたちまち黄金になる。
「わたしは、あれはいりません」
「それなら、もっと大きなのが欲しいか」と、大きな石を指させば、又黄金になる。
「それも欲しくない」
「何がはしい」
「その指がほしい」 (気のくすり)
門 違 い
小銭にくずそうと、夜、両替屋へ行き、門違いをして隣をたたく。うちより。
「だれじゃ」
「チト銭がほしゅうござる」
と言えば、中から、
「おれも欲しい」 (軽口片頬笑)
自 慢 上 手
十歳ばかりの娘の、容顔美麗なのを見て、
「これはこなたの御息女か、さてさて美しい。音に聞く楊貴妃もかくやとばかりでござる」
と、ほめれば、親父、
「サレバ、この娘は母親そっくりでござる」 (醒酔笑 広)